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作者、作品について

澤本和雄(さわもとかずお) 

1946年3月15日 北海道富良野市生まれ

30歳からジョギングをはじめた。野山や草原、海岸などの自然の中をゆっくり気ままに走るのが大好きだ。空や雲、太陽や風、雨、雪、そして木々や草花、小鳥や虫たちがいつも季節の移り変わりを教えてくれる。四季折々の変化を感じながら楽しく走っている。

長年難病患者団体の広告印刷物などを制作する仕事を通じて、難病患者さんの話を聞いたり、日頃の生活や病気と闘っている様子にふれる機会が多くなり、一生懸命に生きる姿に「私もがんばらなければ」と幾度となく勇気づけられてきた。

ある日いつものように自然の中を走りながら「こうして健康で走っていられる今の自分に何かできることはないだろうか・・・」と考えていた。その時ふと「夢」のような思いが心に浮かんだ。
「いままで患者さんに勇気づけられてきたお返しに、こんどは私が自分の足で走りながら、日本全国の難病患者さんとご家族の皆さんを励まし、少しでも元気と勇気を与えることができないだろうか」と。

この恩返しの「夢」は1999年「がんばれ難病患者 日本一周激励マラソン」として実現する。

日頃から日記を書いたり草花をスケッチしたりしていた。絵や日記を書くことで自分を静かにふりかえったり、見つめ直すことができる。また、後日、絵や日記を見るたびに、そのときどきの感動が新鮮によみがえってくるのも大きな魅力であり楽しみでもある。
日本一周マラソンの最中もできれば書き続けたいと思い、旅の荷物の中に日記帳とスケッチブック数冊、サインペン、色えんぴつをしのばせた。


portrait 日本一周激励マラソンでは日中は走ることに専念しているので、絵や日記を書くのはほとんど夜中。一日走り終わるとまず入念にストレッチをして体をほぐす。つぎに氷で足を15分から20分くらい冷たいという感覚がなくなるまで冷やし、そのあと風呂に入って体を温めながらマッサージをする。こうして足の疲れをとっていく。風呂のあとは食事、洗たく、疲労の具合でさらに足のマッサージ、最後に明日の準備をして一息つく。一段落するのはだいたい夜の10時すぎになる。
絵や日記を書きはじめるのはそれから。その日のできごとを、患者さんや出会った人々の顔を思い出しながら書きはじめると、時間があっという間に経っていく。ふと時計を見ると午前1時を過ぎていることもあった。起床はいつも5時から6時頃なので、あわててふとんの中にもぐりこむ。こうして毎日走ることと同じように絵や日記も書き続けていった。